富士山 山梨県側で山開き 規制始まる中5合目に多くの登山者

富士山の山梨県側は1日山開きを迎えました。
ことしの夏山シーズンは登山者数や通行時間などの規制が行われていますが、5合目には午前中から多くの登山者が訪れています。

富士山の山梨県側では、夜通しで山頂を目指すいわゆる「弾丸登山」などのマナー違反や山頂付近の混雑が問題となっています。
このため、山梨県は5合目の登山口にゲートを設け、夏山シーズンが始まる1日から、▽1日の登山者数の上限を4000人とし、▽1人2000円の通行料を徴収するほか、▽午後4時から翌日午前3時までの間、登山道を閉鎖する規制を行っています。
5合目では午前3時になると、山梨県の職員2人が予定どおりゲートを開けましたが、ふもとと5合目を結ぶ有料道路、「富士スバルライン」が強風の影響で通行止めとなっていたため、登山者の姿はまばらでした。
その後、午前9時に通行止めが解除されると、登山者を乗せたバスや車が5合目に次々と到着しました。
国内外から訪れた登山者たちは受付窓口で事前予約した際に発行されたQRコードを示したり、当日の受付で2000円の通行料を支払ったりして、ゲートの通行に必要なリストバンドを受けとっていました。
そして雨や風が吹き付けるなか、登山者たちはゲートで警備員にリストバンドを見せ、頂上を目指していきました。
東京から訪れた60代の男性は「山小屋に宿泊する場合はゲート通過の事前予約が必要がないと確認してから来た。人数制限や通行料は安全のために当たり前のことだと思う。これからゆっくり山小屋に行くつもりだが、途中で下山するかもしれない」と話していました。
山梨県富士山保全・観光エコシステム推進グループの岩間勝宏推進監は「無事に登山者の受け付けが始まりほっとしている。初日ということで手探りの部分があるが、これまでの準備を生かして安全な登山を実現したい」と話していました。

【7合目で山頂を目指す登山者はほとんど見られず】
強風などの影響を受けて富士山の7合目では午前中、5合目へ下山する登山者が多く見られました。
その一方、山頂を目指す登山者はほとんど見られませんでした。
このうち、初めて登山に挑戦するというフランス人の30歳の男性は「きのうからふもとの神社をスタートして登ってきました。雨がひどく、少し疲れました」と話していました。

【「富士スバルライン」通行料 引き返した人に返金】
富士山のふもとから5合目までを結ぶ県の有料道路、「富士スバルライン」は、1日午前0時から午前9時までの間、通行止めになりました。
県によりますと、登山の予約をして事前に通行料の2000円を支払っていた人のなかで、スバルラインの通行止めにより、登山せずに引き返した人に対しては返金の処理を行うということです。
対象は、5合目の県総合管理センターで登山の受け付けをしなかった人ととなります。