富士山 登山規制の効果検証 GPS発信機で混雑データ収集へ

富士山でことしの夏山シーズンから行う登山規制の効果を検証するため、県などはGPSの発信機を登山者に配布し混雑する場所や時間帯などのデータを集める実証実験を行うことにしています。

来月1日からの富士山の夏山シーズン中、県は夜通しで一気に山頂を目指すいわゆる「弾丸登山」の抑制や登山者の安全対策のため、登山者数の上限を1日あたり4000人とし、午後4時から翌日午前3時までの間、登山道を封鎖する規制を行います。
県はこうした規制の効果を検証するため、遭難した登山者の捜索支援などを手掛ける福岡市の企業と連携して、混雑する場所や時間帯などのデータを集める実証実験を行うことにしています。
具体的には、企業が開発した厳しい自然環境でもGPSで居場所を知らせる小型の発信機を500個用意して希望する登山者に配り、位置情報などを収集します。
これによって登山者が登る速度や時間帯ごとの登山道の混雑状況を分析できるほか、発信機を持った登山者が遭難した場合、位置情報をもとに、迅速な捜索につなげることができるということです。
発信機の配付は夏山シーズンが始まる来月1日から最終日の9月10日までの予定で、県は「新たな規制によって富士山の登山者にどんな影響が出るのかを具体的に把握し、今後の取り組みにもつなげたい」としています。