“新植林技術で森林資源を未来に” 林業の再生事業開始 北杜

森林資源を未来につなごうと、木材加工会社や森林組合などが協力して新たな植林技術を生かした林業の再生事業が北杜市の県有林で始まっています。

新たな植林技術で県有林の再生に取り組むのは、東京に本社がある木材加工会社や地元の森林組合などで、30日は北杜市内の県有林に関係者およそ40人が集まりました。
新たな植林技術は、これまでのような高い密度でヒノキやスギなど、単一の種類で植林する方法とは異なり、植える木の間隔を広くとって多様な植物が生育しやすくしたり、雑草を取り除かなくてもすむように最初から大きな苗木を植えたりして、人の手を極力、介さずに低コストで山の管理を行うものです。
30日の県有林では、はじめに県の担当者から苗の植え方が説明され、参加者は80センチほどに育ったカラマツの苗が手渡されると、丁寧に植えていました。
県によりますと、コロナ禍以降、輸入材の高騰が続くなか、国産材の需要が伸びていることから、新たな植林技術を生かした持続可能な林業への転換は急務だとしています。
県中北林務環境事務所の末木洋一所長は「ほかにない貴重な取り組みなので期待していきたい」と話していました。
また、木材加工会社の中西宏一社長は「木を切って製品として販売するだけでなく、もう一度山をよみがえらせる取り組みにも今後は携わっていきたい」と話していました。