富士河口湖町 車の上に倒木 車内にいた70代男性死亡

28日夜、山梨県富士河口湖町で高さおよそ20メートルの木が車の上に倒れ、車内にいた70代の男性が病院に運ばれましたが、その後、死亡が確認されました。
28日夜の富士河口湖町では5月の観測史上、最も強い風が吹き、町などは突風による被害とみて詳しい状況を調べています。

28日午後7時すぎ、富士河口湖町船津で「車に乗っている男性が木の下敷きになっている」と近くに住む人から消防に通報がありました。
車には、近くの木が覆いかぶさるように倒れて車体を押しつぶしていて、町や消防などによりますと、車内にいた70代の男性が意識不明の状態で病院に運ばれ、その後、死亡が確認されたということです。
倒れたのは高さおよそ20メートル、直径が80センチほどの木で、幹が途中で折れていました。
甲府地方気象台によりますと、富士河口湖町では28日午後7時6分に5月としては観測史上、最も強い最大瞬間風速28.8メートルの非常に強い風が観測されました。
町や気象台などは、突風による倒木の被害とみて当時の状況を詳しく調べています。
現場は富士急行線の河口湖駅から北西に500メートル余り離れた住宅などが建ち並ぶ地域です。

倒れた木が車を直撃した現場の周辺では、風で飛ばされたとみられる木の枝などが散乱していて、ほかに、集合住宅でも建物の一部が壊れる被害が出たとみられています。
現場の近くに住む70代の男性は、自宅2階の窓ガラスが割れる被害があったということです。
男性は、「突然、風が強まった状況で、昨夜のうちに割れた窓ガラスの片づけを終えた。このあたりでは過去に台風が来ても人が亡くなるような被害が出たという記憶はないので、今回の被害には驚いた」と話していました。

28日、5月の観測史上、最も強い風が吹いた山梨県富士河口湖町では倒木などの被害が寄せられ、甲府地方気象台は職員を派遣して現地を調査しました。
28日夜、富士河口湖町では5月の観測史上、最も強い風が吹き、町によりますと、29日午後5時の時点で、町内の11か所で強い風の影響とみられる倒木などの被害の情報が寄せられたということです。
こうした状況を受け、甲府地方気象台は現地に職員5人を派遣して被害の状況を調査しました。
職員は、倒木があった場所の近隣の住民から話を聞いたり、木が倒れた方向や本数などを確認したりしていました。
職員は29日、町内の複数箇所で同様の調査を行ったということです。
甲府地方気象台の高山大次長は「これから夏に向かって積乱雲が発達する機会が多くなると考える。発達した積乱雲が近づく様子などが分かったら頑丈な建物の中などに避難することを心がけていただきたい」と話していました。