甲斐 警察官が不審車に5発 発砲 車は乗り捨てられ発見

23日夜、山梨県甲斐市で警察が追跡していた不審な車が信号無視などをしながら逃走し、さらにパトカーに衝突するなどしたことから警察官が拳銃を5発、発砲しました。
弾は数発、当たりましたが、車はそのまま走り去り、別の車と交通事故を起こして乗り捨てられているのが見つかったということで、警察が逃げた人物の行方を捜査しています。

警察によりますと23日午後11時すぎ、甲斐市竜王の立体交差点の側道で、パトカーが追跡していた不審な車が止まったため警察官が職務質問しようとしたところ、車を前後に動かすなどしてパトカーに衝突しました。
このため、警察官が警告をした上で拳銃を5発、発砲しました。
このうち数発が車に当たりましたが、車はそのまま現場から走り去り、およそ2.5キロ離れた市内の路上で別の車と衝突する事故を起こして乗り捨てられているのが見つかりました。
これまでのところ、発砲でけがをした人はいないということです。
車は、山梨県内で起きた窃盗事件に関与した疑いで警察が捜査していたもので、隣接する山梨県昭和町にある中央自動車道の甲府昭和インターチェンジの近くでパトカーが発見して停止を求めながら追跡していました。
車はかなりのスピードを出しながら信号無視などを繰り返し、2人が乗っていたとみられています。
警察は逃げた人物の行方を捜査しています。

警察官が拳銃を使用したことについて、山梨県警察本部の三森美保地域課長は「詳細は調査中だが、現時点で不適切な行為は確認されていない」としています。

甲斐市教育委員会は市内の小中学校の保護者向けに注意を呼びかけるメールを発信しました。
メールでは、甲斐警察署に対しパトロールの強化を依頼したうえで学校では23日の授業は通常通りとし、複数人での下校と教員による地域の見守り活動を行うとしています。
そして各家庭に対し帰宅したあと不審者に遭遇しても対応せず、その場を離れて近くの人に助けを求めるなど改めて子どもたちに注意と指導をお願いしたいと呼びかけています。

警察官が拳銃を発砲した現場近くの小学校は、児童の安全を確保しようと教職員が付き添って下校する対応をとりました。
甲斐市内の現場近くの小学校は、警察官の発砲を受けた車に乗っていた人物の行方が分からなくなっていることから、児童の安全を確保しようと、24日の下校は教職員が付き添う対応をとりました。
およそ300人の児童は低学年と高学年に分かれて校庭に集まり、担当の教職員に「はぐれないように帰りましょう」などと声をかけられると、地域ごとのグループに分かれて教職員に付き添われながら下校しました。
この小学校に子どもが通う30代の母親は、「子どもだけで外出させることはできないので親と一緒に行動させるようにしています。逃げた人物がどこに潜んでいるか分からないので、子どもたちにも不審な人を見かけてたら帰ってくるように伝えています」と話していました。