本栖湖で確認 外来魚「レイクトラウト」の生息調査 公開

富士五湖のひとつ・本栖湖で生息が確認された外来魚、「レイクトラウト」の駆除につなげようと、県の研究機関が「レイクトラウト」の腹部に発信器を埋め込んで再び放流し、産卵場所を特定する調査を報道陣に公開しました。

「レイクトラウト」は、北米原産の大型の外来魚で、国内では栃木県の中禅寺湖でのみ生息していました。
しかし、おととし以降、本栖湖でも確認され、寿命が数十年と長く、ほかの魚を食べることなどから生態系への影響が懸念されていて、本栖湖で釣り客用に放流されるヒメマスがここ数年、釣りにくくなった要因のひとつともされています。
このため、県水産技術センターは、「レイクトラウト」の駆除を目指し、先月から超音波発信器を使った生息調査を始めていて、25日、その様子を報道陣に公開しました。
担当者は、湖で捕獲した体長70センチほどの「レイクトラウト」を麻酔薬の入った水に入れて意識を失わせたうえで腹部を切り、長さ10センチほどの超音波発信器を埋め込みました。
そして、沖合で放流するため、調査船で出発していきました。
調査はことしと来年の産卵期の秋を中心に行い、産卵場所の特定を進める計画で、あわせて30匹余りに発信器をつけるということです。
県水産技術センターの岡崎巧所長は、「栃木県や海外の知見では産卵期に産卵場所に集まる習性があるとされていて、産卵場所が分かれば網を仕掛けることなどで効率的に駆除ができればと考えています」と話していました。
調査を見守った本栖湖漁業協同組合の伊藤正一組合長は、「ヒメマスの釣り客は以前の2割ほどに減ってしまいました。レイクトラウトの調査が進み、またヒメマスが釣れる湖になってほしいです」と話していました。