100年前のパリの華やかな文化紹介する特別展 県立美術館

およそ100年前、多くの芸術家が集ったフランス・パリの華やかな文化を紹介する特別展が、20日から、県立美術館で始まります。

パリでは、政治・経済が安定した19世紀末から20世紀初頭にかけて画家や音楽家、文学者などが集い文化が発展し、「ベル・エポック」、日本語で「美しき時代」などと呼ばれています。
甲府市の県立美術館では、この時代の絵画や服飾、工芸品などおよそ250点を集めた特別展が20日から開かれる予定で、開催を前に会場が報道陣に公開されました。
このうち、世界的に有名なキャバレー「ムーラン・ルージュ」の広告用ポスターは、開業した1889年に「近代ポスターデザインの父」とも呼ばれるジュール・シェレが制作したもので、色鮮やかな衣装を身にまとった踊り子などがダイナミックな構図で描かれ、華やかで享楽的な当時の世相がよく表現されています。
また、国際的に人気を博した女性俳優のサラ・ベルナールが舞台公演で実際に着用した王冠は大きなゆりの花をデザインしたもので、真珠やガラスがふんだんに使われています。
県立美術館の下東佳那学芸員は、「パリは“花の都”とも言われ、すごく華やかなイメージがあると思いますが、100年前からそういった要素があったことを感じ取っていただけると思います」と話していました。
この特別展は、20日から6月16日まで、甲府市の県立美術館で開かれます。