溶連菌感染症 甲府で感染拡大 医師「発熱ある場合は受診を」

子どもを中心に発熱などの症状が出る溶連菌感染症の感染が、甲府市で警報レベルまで広がるなか、小児医療に詳しい医師は「発熱がある場合は医療機関を受診してほしい」と呼びかけています。

甲府市では、溶連菌感染症の一種、「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」について、先月25日以降、1医療機関あたりの患者数の平均が警報レベルに入ったとして、保健所などが感染対策を呼びかけています。
都留市立病院の小児科部長、高橋和也医師によりますと典型的な症状は、発熱やのどの痛み、軽い発疹だということで、せきや鼻水が出ることは少ないということです。
子どもに多い感染症とされますが、大人もかかる可能性があり、どの程度の熱が出るかは人によって異なるほか、発疹は熱が出て1日から2日後、体に淡い発疹が出ることが多く、かゆみが出ることは少ないとしています。
また、A群の溶連菌の場合、主な感染のしかたは、せき・くしゃみなどの「飛まつ感染」や、菌がついたものに触れる「接触感染」などで、高橋医師は「発熱などの症状がある人は職場や学校などに行くことを控え、医療機関を受診してほしい。感染対策としては手洗いや手・指の消毒、『せきエチケット』などを心がけてほしい」としています。
一方、山梨県内では、溶連菌による「劇症型」の感染症の確認も相次いでいて、ことしに入って今月7日までに7人と、すでに2018年以降で最も多くなっています。
県によりますと、「劇症型」では手足の壊死や多臓器不全などがみられ、症状が急激に悪化して死に至ることもあるということです。
県は「日常生活の中で、予防のために、人と会うことや外出を控える必要はない」とする一方、一般的な感染対策として手洗いを心がけることや、切り傷やすり傷は小さな傷でもきれいに洗い流し清潔に保つことなどを呼びかけています。