「富士山登山鉄道構想」撤回求め 民間組織が署名開始へ

県が検討を進めている「富士山登山鉄道構想」をめぐり、ふもとの観光連盟などの団体が近く民間組織を立ち上げ、撤回を求めて署名活動を行う方針を固めたことが、関係者への取材でわかりました。

県は富士山の環境保全などのため有料道路の「富士スバルライン」の道路上に、新たに「LRT=次世代型路面電車」を整備する「富士山登山鉄道構想」の検討を進めていて、県内各地で住民向けの説明会を開いています。
これに対し、ふもとの富士吉田市の市議会では、去年9月に地元の意見を聞かずに構想がまとめられ、鉄道の整備に必要な工事が富士山の自然環境にどのような影響を与えるか具体的な内容が示されていない、として、構想に反対する決議案が可決されるなど、富士北麓の一部では構想に反対する声が出ています。
こうしたなか、富士山のふもとの神社や観光連盟などの団体が近く民間組織を立ち上げ、構想の撤回を求める署名をオンラインや書面などで集める方針を固めました。
団体は今月26日に市内で会見を開き、活動の方針や署名の集め方などについて詳しく説明することにしていて、集めた署名を県に提出することにしています。
民間組織が署名活動を始めることについて、富士吉田市の堀内茂市長は、16日開かれた定例の記者会見で「団体からは、市民の皆さんが立ち上がって反対運動を行っていくという力強いことばを聞いている。住民ばかりでなく日本中の多くの皆さんから、富士山の大自然を守りたいというたくさんの声があることを知っていただきたい」と話していました。