土地利用権主張する野焼き「火入れ」 陸上自衛隊演習場など

富士山のふもとにある陸上自衛隊の演習場などで14日、地元の人たちが土地を利用する権利を主張するために続けてきた「火入れ」と呼ばれる野焼きを行いました。

「火入れ」は富士山のふもとにある陸上自衛隊の北富士演習場などの国有地を利用する権利、「入会権」を主張するために富士吉田市と山中湖村、それに忍野村の住民たちが毎年、この時期に行っています。
新型コロナウイルスや天候不良などの影響で規模の縮小や中止が続きましたが14日は6年ぶりに以前と同じ規模で行われ、地域の住民、合わせておよそ4000人が参加しました。
このうち富士吉田市の会場では富士吉田市外二ヶ村恩賜県有財産保護組合の秋山隆信組合長が式典で、「先祖があらゆる苦難に耐え守ってきた入会権は、将来にわたって守っていかなければならない」と述べました。
このあと参加した住民たちがたいまつで枯れたススキなどに火をつけると勢いよく燃え広がり、辺りは白い煙に覆われました。
組合によりますと、ことしの火入れでは、3つの会場で合わせておよそ1900ヘクタールにわたって下草が焼かれ、灰は山菜などが育つ肥料として土にかえるということです。