甲府市に建設のリニア新駅 2031年中完成目指す JR東海

甲府市に建設予定のリニア中央新幹線の新しい駅について、JR東海は工事の発注の見通しを公表し、2031年中の完成を目指して計画を進めていく方針を示しました。

リニア中央新幹線をめぐってJR東海は、静岡県内の工事に着手できていないことを理由に先月29日、目指してきた2027年の開業を断念する方針を示しています。
こうしたなか、JR東海は4日甲府市大津町に建設予定の新しい駅について工事の発注の見通しを公表し、今月からことし9月の間に工事を請け負う業者を公募し、契約の手続きを進めていくことを示しました。
そして来年度以降、周辺住民への説明などを行ったうえで本格的な工事に着手し、2031年中の完成を目指して計画を進めていく方針を示しました。
新しい駅は総面積およそ1万5000平方メートルの鉄筋コンクリートの4階建てで、改札は2階に、ホームは4階に設置し、バリアフリーにも配慮した構造を計画しています。
JR東海は「人手不足や資材の高騰の影響も踏まえできるだけ合理的な工期を設定した。2027年を超える工期を設定する初めてのケースで、工事完了は2031年中となる見込みだが静岡工区の遅れの範囲内で名古屋までの開業時期に影響は与えない」と説明しています。

甲府市に建設予定の新しい駅の工期が公表されたことについて長崎知事は「一歩前進したと考えており、JR東海は静岡工区の状況を見ながら発注時期について慎重に判断したと理解している。駅の建設にあたっては地域の分断などにも十分配慮するとともに、駅前エリアと一体となった利便性の高い駅となるようJR東海と緊密に連携を図っていきたい」とコメントしています。