笛吹市商工会が1000万円詐欺被害 パソコンにうその警告

笛吹市商工会は、先月、業務用のパソコンの画面に出たウイルスに感染したといううその警告を信じた職員が、表示されたサポート窓口に電話し、インターネットバンキングのパスワードを伝えるなどした結果あわせて1000万円をだまし取られたと発表しました。

笛吹市商工会によりますと、先月27日、職員の業務用パソコンの画面にコンピューターウイルスとして知られている「トロイの木馬に感染した」といううその警告が出ました。
あわてた職員が表示された「サポート窓口」に電話をかけると、大手ソフトウエア会社の職員を名乗る人物から、「インターネットバンキングにもウイルスが侵入している可能性がある」などと伝えられました。
それを信じた職員がパソコンで管理していた4つの金融機関のインターネットバンキングのパスワードなどを伝えたほか、パソコンを遠隔操作できるような情報も伝えてしまったということです。
そして、その日の夜にパソコンを遠隔操作され、一つの口座からあわせて1000万円が不正に送金されたということです。
不審に思った別の職員が同じような詐欺の手口があることに気付き、調べた結果だまされたことがわかったということです。
笛吹市商工会の笹本貴正事務局次長は「大変申し訳ありませんでした。今後研修を開くなどして再発防止に取り組みます」と話していました。
笛吹市商工会は警察に被害届けを出すとともに、個人情報が流出していないかどうか調べています。

警察庁によりますと、インターネットを閲覧中にウイルスに感染したかのような嘘の画面を表示して、操作している人の不安をあおり、「サポート」の名目で金銭をだまし取ろうとする詐欺は「サポート詐欺」と呼ばれ、全国的に被害が多発しているということです。
警察庁は、対策として、偽の警告が表示されたらブラウザを終了することや、ブラウザを終了できない場合はパソコンを再起動する、また、万が一クレジットカードなどで支払ってしまった場合は、支払い履歴などを保存しておくよう呼びかけています。