富士山の水資源と織物の関わり紹介する展示会 富士吉田市

富士山の水資源と、ふもとの富士吉田市の地場産業である織物の関わりを紹介する展示会が富士吉田市で開かれています。

この展示会は富士吉田市の地場産業である織物が、富士山の豊かな水資源に支えられてきた歴史を知ってもらおうと企画されたもので、「ふじさんミュージアム」が所蔵する絵図や古文書など、34点の資料が展示されています。
このうち「桂川水系用水絵図」には、市内にはりめぐらされた用水路が描かれていて、江戸時代に用水路の整備が進んだことで、多くの水を必要とする織物業が下吉田地区を中心に盛んになったことを紹介しています。
また、江戸時代の「下吉田村雪代絵図」には、雪代と呼ばれる雪解け水が土砂とともに流れる土石流の被害が地図上に記録されていて、地域の田畑の半分以上が土砂に埋まるなど、富士山の豊かな水がときに災害となることを紹介しています。
一方で、明治時代の終わりから大正時代初めごろの「下吉田用水絵図」には、用水路沿いに水車という文字が書かれていて、富士山の水が機織り機の動力源としても使われるようになったことが分かります。
市歴史文化課の篠原武課長補佐は「富士山の水の恵みを得て町や織物産業が発展し、現在に続いていることを知ってほしい」と話していました。
この展示会は、5月27日まで開かれています。