財政改革で町営施設料金値上げ案 議会で否決 市川三郷町

「財政非常事態宣言」を出した市川三郷町で、定例町議会の本会議が開かれ、行財政改革の一環として町長が提出した、町営施設の利用料金を値上げするための条例の改正案が反対多数で否決されました。

市川三郷町は、このままの財政運営を続ければ財政破綻の危機に陥るとして、去年9月に「財政非常事態宣言」を出し、新年度から、赤字経営が続いている町営施設の運営の見直しなど、本格的な改革を進めるとしていました。
定例町議会最終日の14日は本会議が開かれ、行財政改革の柱としていた新年度の当初予算案や、町営施設の利用料金を値上げするための条例の改正案などが議題となりました。
このうち、温泉施設の料金区分を見直し、これまでの「入浴料金」300円から「入浴休憩料金」として600円とする条例の改正案について、議員から「値上げの前に、集客を伸ばすよう工夫することが大事だ」などの反対意見が出されました。
そして採決の結果、町営の2つの施設の利用料金を値上げするための2つの条例の改正案が反対多数で否決されました。
町によりますと、利用料金の値上げによって2つの施設で合わせて年間およそ9500万円あった赤字額を5300万円に抑え、赤字幅を4200万円縮小できる見込みでしたが、縮小幅は半分にとどまる見通しとなりました。
一方、新年度の当初予算案は賛成多数で可決されました。
本会議のあと、遠藤浩町長は「提案した利用料金は、近郊の自治体と比較して妥当だと判断したものです。合併以降見直されてこなかった料金改定が認められず残念です」と話していました。
町は今後、町営施設の経営改善に向け町議会に丁寧に説明をして理解を得たいとしています。