災害時に外国人観光客をいかに守るかを学ぶセミナー 笛吹市

県内を訪れる外国人観光客がコロナ禍前を上回る勢いで増えるなか、災害が起きた時に外国人観光客をいかに守るかを学ぶセミナーが笛吹市で開かれました。

このセミナーは、県内を訪れる外国人観光客が去年1年間で延べ130万人と増え続けるなか、災害が起きた時の対応を学んでもらおうと県が開き、観光業者など50社あまり、およそ80人が参加しました。
セミナーでは、防災の観点などから多文化共生の推進に取り組むNPO法人の理事が講演し、外国人のなかには地震などの災害の経験がない人がいるので、「ピクトグラム」というひと目で分かるイラストや多くの言語で気象や避難のほか、病院、食料の確保などの情報を伝える準備をする大切さを訴えました。
また、災害が起きた時に無料でおにぎりを配った際の例を挙げ、「ご自由におとりください」と書くと、文化の違いから外国人が1人ですべて持ち帰ってしまったとして「1人2個まで」などと具体的な言い回しで伝えるよう説明すると、参加した人たちは、熱心に話を聞いていました。
参加した身延町の宿坊の住職は、「外国人観光客が増えているのでピクトグラムを使うなど、日常から災害を想定して対策をとっていきたい」と話していました。
NPO法人多文化共生マネージャー全国協議会の高橋伸行理事は、「言葉が大きな壁になるので、災害に備え、イラストなどを使っていち早く正確な情報を伝え、命を守ることにつなげてほしい」と話していました。