ウクライナ支援 地雷除去機完成 JICA視察 南アルプス市

2年にわたってロシアの侵攻を受けているウクライナでは、大量の地雷をいかに取り除くかが課題となっています。
南アルプス市の建設機械メーカーでは、現地を支援しようと地雷除去機の製作を進めていて、27日、JICA=国際協力機構の担当者などが、完成した地雷除去機を視察しました。

南アルプス市の建設機械メーカーでは、ODA=政府開発援助を通じたウクライナ支援の一環として建設用の重機の製作技術を生かして地雷除去機が作られていて、製作予定の10台ほどのうち2台が今月、完成しました。
27日は、事業を担うJICA=国際協力機構や関係企業の担当者などおよそ10人が訪れて動作を確認し、メーカー側から側面に防護用の鉄板を取り付けて安全性を高めたことなどの説明を受けました。
地雷除去機は、地雷が埋まっている危険性のある地域でがれきや草木などを取り除くことで、地雷の探知や除去を支援するのが主な役割で、フロントガラスに厚さ6センチもの防弾ガラスを使うなど、地雷の爆発にも耐えられるよう頑丈なつくりになっています。
JICAによりますと、ウクライナでは国土の3割以上に地雷や不発弾などが残され、復興の妨げになっているということで、地雷除去機をウクライナに送る時期について、現地の情勢も踏まえて検討を進めているということです。
また今後、現地で地雷除去を行うウクライナ非常事態庁の担当者をこのメーカーの施設などに招く研修も計画しているということです。

JICA資金協力業務部の増田吉朗課長は、「ウクライナ側からは地雷除去への支援を最優先の案件として要望を受けています。ウクライナの土地が一日でも早く地雷から解放されるように協力していきたい」と話していました。
建設機械メーカー「日建」の雨宮清会長は、「1年半から2年くらいかかりましたが、ウクライナの人たちの意見も聞きながら作りました。壊れた場合の対処や運転のしかたを研修するなど、支援はこれからだと思っています」と話していました。