財政非常事態宣言の市川三郷町 改革の柱の新年度予算案発表

去年、「財政非常事態宣言」を出した市川三郷町は26日、改革の柱となる新年度・令和6年度の当初予算案について記者会見を開き、一般会計の総額で今年度の当初予算案を上回る93億円余りの予算案を発表しました。

市川三郷町は、このままの財政運営を続ければ財政破綻の危機に陥るとして、去年9月に「財政非常事態宣言」を出し、対策の検討を進めてきました。
町は26日、改革の柱となる新年度・令和6年度の当初予算案について会見を開き、遠藤浩町長は「将来に向けたまちづくりのために重要だ」として、一般会計の総額で今年度の当初予算案を3.3パーセント上回る93億500万円余りの新年度の当初予算案を発表しました。
当初予算案では新たに人口減少対策として、町内の子どもが小・中学校や高校に入学する際の祝い金事業におよそ330万円を盛り込んだほか、100歳になった人に月3万円を支給する「100歳年金」などを廃止する代わりに、人間ドックの助成などを含む「健康ビジョン加速化事業」におよそ870万円を計上しました。
一方、改革の一環として町営の施設の営業日を短縮したり、利用料の値上げをしたりすることで、あわせて5000万円を削減したほか、国庫補助金の確保など、国の制度を活用することで財源を確保し、町の貯金にあたる「財政調整基金」の取り崩し額を今年度の当初予算案に比べて7割削減したということです。
新年度の当初予算案は、来月5日に開会する町議会に提出され審議されます。

「財政非常事態宣言」を出した市川三郷町が26日、改革の柱となる新年度・令和6年度の当初予算案を発表したことについて、住民からは、財政がこれ以上悪化しないよう早急な対策を求める声があがりました。
住民の男性は「人口が減っているので、お金の使い方に気をつけないといけないと思います。改革をして支出を抑えることで財政を健全化し、子どもが増えるような方策を考えてほしいです」と話していました。
男子高校生は「自然が豊かで、伝統的なお祭りがあるので町が大好きです。改革の一環で、市川大門駅に町から配置されていた職員がいなくなり、無人駅となりますが、不便に感じる人が出ないようにしてほしいです」と話していました。
また、別の男子高校生は「自分たちが働く年代になっていくうえで『財政非常事態宣言』は不安です。田舎なので、高齢者が住みやすい町になればいいと思います」と話していました。
また、町が開いた住民説明会に参加したことがある女性は「お金がないからどうにもならないではなく、工夫してほしいし、ただ人員を減らせばいいだけではありません。住民は役場に任せるのではなく、改革に協力していければいいと思います」と話していました。