山梨県 健康な女性が卵子凍結保存行う費用を助成へ 最終調整

妊娠のタイミングと仕事のキャリアとの両立に悩む人を支援するため、県は健康な女性が卵子の凍結保存を行う費用を助成する方向で最終的な調整を進めていることがわかりました。

県は出生率の低迷による人口減少に歯止めをかけるため、妊娠を望んだときに備えて、みずからの健康を管理する「プレコンセプションケア」の普及を進めるなど、妊娠前から出産、育児に至るまでサポートする取り組みを行っています。
その一環として、妊娠のタイミングとキャリアとの両立に悩む人を支援するため、将来、妊娠を望む健康な女性が卵子の凍結保存を行う費用を助成する方向で最終的な調整を進めていることがわかりました。
県内に住む女性が対象で、事前に「プレコンセプションケア」の知識や、卵子を取り出すリスクを学ぶ機会を持つことなどを条件とし、対象年齢や人数などについて慎重に検討を進めています。
また助成の上限については年間およそ20万円とする方向で詰めの調整を行っているということで、県は必要な費用を2月定例県議会に提案する予算案に計上する方針です。
卵子の凍結をめぐっては、若い世代のがん患者などが治療によって卵巣機能が低下するおそれがあることから、子どもを持つ選択肢を残すために助成している自治体もありますが、県によりますと、健康な女性に対する直接的な支援策としては、東京都に続き2例目だということです。

健康な女性の卵子凍結を自治体が支援することについて、国立成育医療研究センターの不妊診療科齊藤隆和診療部長は「未受精の卵子を凍結することにどういうメリットとデメリットがあるかを十分把握してもらい、最終的に治療に関して自分の中で受けるか、受けないかを決定する十分な情報を、クリニックや補助金を出す行政が与えることが必要だ」と指摘しました。
そして「卵子凍結を自治体が助成することはやむを得ないことだが、卵子凍結という選択をしないですむ社会の実現が望ましい」と述べ、女性の社会進出と自然な妊娠・出産が両立できる社会づくりが必要だという考えを示しました。
齊藤医師は「女性の体の仕組みや妊娠の確率などの教育が進むことで、子どもを持ちながら仕事が続けられる仕組みが作られることを期待したい」と話していました。

東京都の健康な女性の卵子凍結への助成事業で指定医療機関になっている東京・港区にある京野アートクリニック高輪の京野廣一理事長は「都の助成が出るようになってから患者さんの年齢が少し若返ってきたという認識はあります。30代半ばくらい、たまに20代の女性もお見えになるようになってきたという印象です」と話していました。
その上で、自治体が助成金を出すことの影響について「都の助成が出たということでそれがきっかけになって患者さんの費用負担は少なくなり、社会も認めてくれてると認識して若い時に卵子を凍結しておいて将来に備えようという認識が出てきたのかなと感じてます」と話していました。
一方で、実施にあたっては働く女性が受診しやすい環境を作ることも重要だとして「仕事をされている方々が対象となるので、あまり仕事に影響を与えないようなときに診療したいという希望が多いように思う。そのような対応ができる医療機関に患者さんがいらっしゃるということがあると思う」と指摘していました。