富士山登山者 適正管理へ 山梨県が対策骨子案

富士山の登山者の適正な管理に向けて、県は5合目からの登山道を「道路」から外して一日当たりの登山者数を4000人に限るほか、夕方から深夜まで入山を制限する対策の骨子案を取りまとめました。

富士山の登山者数は、ことしの夏山シーズンでコロナ禍前とほぼ同じ水準に回復する一方、夜通しで一気に山頂を目指す「弾丸登山」や登山者のマナー違反が問題となり、県は来年のシーズンに向けて登山者の適正な管理に向けた対策を検討していました。
このほど、その対策の骨子案がまとまり、長崎知事は20日の記者会見で発表しました。
それによりますと、標高およそ2300メートルの5合目からの登山道およそ600メートルを「県道」から外し、登山道の規制を行うのが難しい理由となっていた道路法の適用から除外することで規制を行いやすくなるということです。
そのうえで5合目の登山口にゲートを設け、山小屋に宿泊する人を除いて山頂付近の混雑を防ぐため登山者数の上限を一日当たり4000人とし、「弾丸登山」が懸念される午後4時から午前2時までの間、入山を制限するということです。
さらに安全管理を行う誘導員やガイドが登山者のマナー違反を指導できる権限を与えるとしています。
このほか、ゲートを通過する際、任意の協力金とは別に通行料を求めることを検討し、登山道の整備や対策の財源に充てたいとしています。
長崎知事は「富士山登山の安全を確保したいと考えており、今後、地元関係者などからの意見をいただきながら必要な調整を図ったうえで最終的に固めていきたい」と述べました。
県はさらに調整を進め、来年2月の定例県議会にこの骨子案を盛り込んだ条例案の提出を目指すことにしています。

県が対策を発表したことを受けて富士吉田市の堀内茂市長は「県が対策を進めていることに感謝する。登山者数の上限や通行料の徴収、閉鎖時間の検討にあたっては、数字や金額の根拠を含め関係者などと協議してほしい」とコメントしています。