富士山 安全な登山へ対策検討する会議 進捗状況に懸念の声

山梨県は、富士山の安全な登山の実現に向けて地元の事業者などと対策を検討する会議を開きましたが、参加者からは検討の進捗状況を懸念する意見が出されました。

山梨県は、富士山の安全な登山を実現しようと登山者数の規制などを含めた対策を検討していて、来年の夏山シーズンに向け、ふもとの自治体や山小屋、それに登山ガイドなどとことし10月から意見交換を行っています。
15日は富士吉田市で2回目の会議が開かれ、県の担当者はこれまでに夜間など一定の時間帯では山小屋の宿泊者以外の登山を制限してほしいとか、弾丸登山を抑制してほしいなどといった意見が寄せられていることを説明しました。
これに対して出席者からは登山の規制や制限を行う具体的な方法を早急に示すべきだとか、山小屋ではすでに来年に向けて旅行会社の予約が始まっていて、現在の検討状況では来年の夏山シーズンに間に合わないなど、検討の進捗状況を懸念する意見が出されました。
会議のあと、富士吉田市案内人組合の小山田俊夫組合長は「県から具体的な方策が示されるかと思ったが、ほとんど検討が進んでいないことがわかりがっかりした。お客さんの身を守るために自分たちでも対策を考えていきたい」と話していました。
一方、県世界遺産富士山課の笠井利昭課長は「現場が困惑している状況なので、早急に対策を検討したい」と話すにとどまりました。