市川三郷町 県内初の「財政非常事態宣言」 財政立て直しへ

市川三郷町は町の財政が悪化し、このままでは最低限の行政サービスの維持も困難になることが予想されるとして、県内で初めてとなる「財政非常事態宣言」を出しました。

市川三郷町によりますと、平成17年の市町村合併以降、地方交付税が減額される一方で、行政運営を十分に見直さなかったことから町の財政が悪化していきました。
平成29年度から実質収支の赤字が続き、昨年度の赤字は回避したものの、財政の健全性を示す「経常収支比率」は悪化し続けているということです。
こうした状況が続けば、町の貯金にあたる「財政調整基金」が底をつき、災害などへの対応ができなくなり、財政が破綻すれば町内のインフラ整備など最低限の行政サービスを維持できなくなるということです。
これを受けて町は19日、記者会見を開き、「財政非常事態宣言」を出しました。
宣言は法律で定められているものではありませんが、財政基盤を立て直す決意を示すもので、県によりますと宣言を出すのは県内で初めてだということです。
町では公共施設の集約などを検討し、年内にも財政健全化に向けた計画を公表するとしています。
遠藤浩町長は「このままでは、町の財政が破綻しかねない危機的状況であり、町民の皆様と情報を共有することが大切です。機運の高まりがある今こそ、ピンチをチャンスに変え、反転攻勢のスタートにしたい」と話しました。

市川三郷町が「財政非常事態宣言」を出したことについて、長崎知事は19日の定例記者会見で「具体的な対策について私どもも強い関心を持ち、町からも話をしっかり聞いて、町財政がどうあるべきなのかを一緒になって議論していきたい」と話していました。