山梨県立大学 児童虐待対応の人材育成で研究科を大学院に新設

山梨県立大学では来年度、児童虐待などに対応する専門人材の育成に向けた研究科を大学院に新設する方針です。
こうした研究科を大学院に設置するのは全国で初めてだということです。

山梨県立大学によりますと、新設を予定しているのは、児童虐待への対応を中心に学ぶ大学院の「人間福祉学研究科」です。
研究科では虐待の相談や被害を受けた人の心理的ケアを担うことができる高度な知識や技能のほか、虐待リスクのある子どもや家庭への包括的な支援体制を構築する力などを修得し、児童虐待などに対応できる専門人材の育成を目指すとしています。
大学によりますと、虐待に対応する専門人材を育成する研究科を大学院に設置するのは全国で初めてだということです。
定員は1学年あたり5人を予定していて、平日の夜や土曜日にオンラインも活用することで授業を受けやすくするなど、学生のニーズに応じた履修プログラムを用意するということです。
大学では、虐待が起きる背景や原因が複雑化していることや、児童相談所への相談件数が増加していることなど、虐待を取り巻く社会情勢を踏まえ、専門人材を育成する研究科の新設を決めたとしています。
研究科の設置は文部科学省から近く正式に認可される見通しです。

山梨県立大学の大学院の新しい研究科が近く、文部科学省から正式に認可される見通しとなったことを受け、長崎知事は31日の定例記者会見で「大変ありがたく思っている。虐待に対応する職員の専門性や資質の向上が極めて重要な課題になると思っており、中心的な役割を担う専門人材の養成をしっかりと進めていくため来年4月の開学に向けて準備を進めていきたい」と話していました。