長崎知事 ライフライン整備と登山鉄道整備の平行実施は合理的

富士山のふもとと5合目とを鉄道で結ぶ「富士山登山鉄道構想」について長崎知事は26日、開かれた県議会で5合目のライフライン整備と登山鉄道の整備を平行して行うことが合理的だという考えを示しました。

山梨県の6月定例議会は26日、代表質問と一般質問が行われ、この中で県が進める「富士山登山鉄道構想」について立憲民主党と無所属の議員からなる会派、未来やまなしの土橋亨議員が富士山の環境保全のためにはまず5合目のライフライン整備を先行させるべきだとただしました。
これに対し、長崎知事は「鉄道の軌道を敷設する際、ライフラインの整備を一体的に行うことができ、鉄道事業の収益から費用負担を行うことも考えられ、ライフライン整備は登山鉄道の整備とあわせて行うことが合理的だ」と述べました。
また、鉄道の代わりに電気バスや水素バスを導入すべきという指摘について「5合目へのバスは多数の車両が必要となるなど運行上のオペレーションに深刻な課題があり、非現実的だと考える。さらに観光資源としての魅力は上質な空間と特別な体験を提供できる登山鉄道が数段勝る」と述べ、登山者の適正な管理には鉄道が有力な手段だと強調しました。
そして長崎知事は「必要な調査、検討を行いエビデンスに基づいた議論を重ねていく中で、構想を着実に推進していく」と述べました。

一方、富士山の夏山シーズン中、登山者の大幅な増加や夜通しで一気に山頂を目指す「弾丸登山」が懸念されている問題について長崎知事は緊急的な追加措置を取る方針を明らかにしました。
具体的には来月1日からの夏山シーズン中、混雑が予想される週末は巡回指導員を増員することや救護所に医師を配置する期間を延長することにしていて地元の自治体などと連携して対応にあたることにしています。