長崎知事 リニアのボーリング調査めぐる静岡文書に不快感示す
リニア中央新幹線の開業に向けて行われているボーリング調査をめぐり、静岡県がJR東海に対し山梨県側の区間を掘削しないよう求めた文書について長崎知事は「大変強い違和感を感じている」と述べ、事前の調整もなかったとして不快感を示しました。
JR東海はリニア中央新幹線のトンネル工事のため、ことし2月から山梨県内で地質や地下水の状況を確認するボーリング調査を行っています。
この調査をめぐって静岡県は掘削で湧き出る水が静岡側から流出している可能性があるとして、11日、JR東海に対して流出した水の戻し方について静岡県の合意を得るまで、県境から山梨県内のおよそ300メートルの区間を掘削しないよう求める文書を提出しました。
これに対し、長崎知事は12日、開かれた定例記者会見で「大変強い違和感を感じている」と述べ静岡県が事前に調整も行わずに文書を提出したことに不快感を示しました。
そして「調査で出た水は山梨県の水だというのが常識的な考え方だ。山梨の経済活動に対して規制をかけるのは極めて例外的な場合に限られるべきだ」と述べました。
そのうえで長崎知事は静岡県に対し、この問題については事前に山梨県とも調整したうえでJR東海と協議することや科学的根拠に基づいて議論を進めることを求めました。
会見での長崎知事の発言についてJR東海の東京広報室は記者団の取材に対し、「現時点で見解を述べることはできない」としています。
そのうえで、「調査中に湧き出た水は継続的に量を測定しており、県境からおよそ300メートル以内で湧き出た水が一定量を上回った場合は工事を中断して対応策を検討することにしている」と説明しました。
JR東海のホームぺージによりますと、ボーリング調査は県境から山梨県内へ815メートル離れた地点から始めていて、先月29日の時点で583メートルの地点まで達しているということです。