端午の節句を前に伝統の旗「フラフ」作り大詰め 高知 香美

来月の端午の節句を前に、子どもの健やかな成長を願って掲げられる高知県の伝統の旗「フラフ」を作る作業が高知県香美市で大詰めに入っています。

フラフは、英語で「旗」を意味する「フラッグ」が語源とされ、高知県内では端午の節句を祝って、こいのぼりと一緒に掲げられる大きな旗です。

創業120年になる香美市の三谷泰清さんの工場では、端午の節句を前にフラフを作る作業が最盛期を迎えています。

まず、白い布に馬に乗った武士や富士山などの下絵を描きます。

そこに色が交わらないようもち米で作ったのりで縁取りをしたあと、色を塗ったり、指でぼやかしたりして仕上げていきます。

ことしはよろいやかぶとをかぶった武士ではなく、えびすや桃太郎といった幸福を象徴するデザインが人気だということです。

この工場では、30年ほど前には、およそ400点あった注文が少子化などの影響で年々減っているということです。

また、近年はマンションに住む人が増えたことで、室内向けの小さいサイズの注文が全体の8割を占めているということです。

三谷さんは「主人公の表情の細かさや、波のしぶきなどすべてが手書きであるところに注目してほしいです。子どもの健やかな成長とみなさんの幸せを願って作っています」と話していました。