高知県内唯一の酒米工場が再び操業を開始 南国市

日本酒の仕込みに欠かせない酒米を磨く作業を行う高知県内唯一の工場が設備の老朽化で一時閉鎖されていましたが、設備の更新を終え、運営主体もJAから地域商社に移り、15日から操業を開始しました。

南国市にある工場で15日行われた記念式典には、県内の酒造りの関係者など約60人が集まり、テープカットが行われたあと、「精米開始」の合図とともにボタンが押され、操業が始まりました。

日本酒造りには酒米を決められた大きさに磨き、雑味を取り除く作業が欠かせず、県内18の酒蔵のうち13の蔵がこの工場に委託していましたが、去年、設備の老朽化に伴う改修費用の捻出が難しくなり、一時閉鎖されていました。

こうした状況を受け、県が改修費用など1億円を補助したほか、工場の運営主体もJA高知県から「地域商社こうち」に移り、再スタートを切りました。

地域商社によりますと、5台の精米機のうち2台を新しいものに更新し、四国では初めてとなる米をむだなく精米できる「原形精米」という方法が取り入れられているということです。

地域商社は、工場の運営だけでなく、販路拡大にも取り組む方針です。

「地域商社こうち」の山本一也社長は、「身の引き締まる思いです。精米を通して酒米の品質向上を図り、全国、海外に向けて土佐酒をアピールするお手伝いをしたい」と話していました。