「錦絵」で幕末から明治の世相紹介する企画展 高知

幕末から明治時代の世相を「錦絵」と呼ばれる多色刷りの木版画を通じて紹介する企画展が高知市で開かれています。

この企画展は、幕末から明治の世相を当時の庶民がどのように捉えていたか知ってもらおうと高知市の県立坂本龍馬記念館で開かれ、錦絵などおよそ30点が展示されています。

このうち、安政2年の出来事をすごろくの形式でまとめた「世之中安政世間噂」では、安政の大地震の様子や、孝明天皇が新たな住まいに移る様子が描かれ、庶民の社会の出来事に対する関心の高さがうかがえます。

また、三代歌川広重の「当世長ッ尻な客しん」では、江戸城を占拠する新政府側を料亭に長く居座る客として描き、当時の庶民にとって、新政府側が迷惑な存在だったことを痛烈に風刺しています。

愛媛県から訪れた女性は「こんなにきれいな状態で残っているとは思わなかったので、当時の技術はすばらしいと思いました」と話していました。

県立坂本龍馬記念館の上村香乃学芸員は「江戸幕府が滅び行く中で、当時の絵師や庶民が当時の状況をどのような思いで見ていたか知ってもらいたい」と話していました。

この企画展は、来月7日まで開かれています。