「土佐くろしお鉄道」今年度も赤字の見通し 赤字幅は縮小

高知県の第3セクター「土佐くろしお鉄道」は、今年度の業績について経常損益が6億7950万円の赤字となる見通しを明らかにしました。沿線の駅に駐車場が増設され、通勤で使う利用者が増加したことから赤字幅は縮小したとしています。

県や沿線の市町村などが出資する第3セクター「土佐くろしお鉄道」はきょう、高知市で取締役会を開き、去年12月までの実績をもとに今年度の決算の見通しなどを明らかにしました。

それによりますと、今年度の経常損益は、6億7950万円の赤字となり、当初の予想より赤字幅が480万円減少する見通しだとしています。

去年6月の脱線事故や台風の影響で県西部の中村・宿毛線の売り上げが減少したものの、県東部のごめん・なはり線は、沿線の駅に駐車場が増設されたことで通勤で使う利用者が増えたためです。

しかし、新年度については、耐震工事などで修繕費が増加することから赤字幅は今年度より6000万円近く増え、7億3870万円になると予想しています。

土佐くろしお鉄道の金谷正文社長は「脱線事故や雨の影響で運行日数が限られたが、年末にかけて客足が戻ったことは心強く、来年度も期待したい。その一方で、原材料の価格や人件費の増加が懸念されるので影響を注視したい」と話していました。