高知のお座敷文化を観光振興に NPO法人立ち上げ情報発信へ

宴席での食や酒、それにお座敷遊びなどを高知県の伝統的な「お座敷文化」として受け継ぎ、観光振興などに生かそうと、県内の経営者らがこのほどNPO法人を立ち上げ、今後、情報発信などの活動に取り組むことにしています。

高知県では、海の幸などを豪快に盛りつける伝統の「皿鉢料理」や拳に隠した箸の本数を互いに当て合い、負けた人が日本酒を飲む「はし拳」など、独特な宴席の文化があります。

これらを伝統文化として受け継ぎ、観光振興や経済の発展に生かそうと、県内の企業の経営者らで作る経済団体が呼びかけて、「土佐伝統お座敷文化を守る会」というNPO法人がこのほど設立されました。

NPO法人では今後、イベントを開くなどして、皿鉢料理やかつお料理といった高知の食文化を発信するほか、飲酒モラルの向上を目的とした冊子を配るということです。

また、お座敷遊びに欠かせない芸子が現在、高知県内には1人しかいないことから、育成講座の立ち上げも検討しているということです。

NPO法人「土佐伝統お座敷文化を守る会」の竹村昭彦理事長は、「長きにわたるコロナ禍で高知県らしい食文化が廃れてしまった。酒飲みだけではなくて、飲める人も飲めない人も楽しめるうたげのユートピアを高知に作るのが使命です」と話していました。