全日本博物館学会 高知で開催 課題は「全国的な収蔵庫不足」

博物館の貴重な標本や剥製などを保管する収蔵庫の確保について考える「全日本博物館学会」が20日、高知市で開かれ、栃木県の先進事例や県内の現状が報告されました。

全国の博物館では収蔵庫の不足が全国的な課題となっています。

20日、高知市で開かれた全日本博物館学会では新しい収蔵庫が建設された栃木県立博物館の事例が紹介され元職員の林光武さんが「収蔵庫が満杯で困っているという説明だけでは増設には至らない。理解者や協力者を広げ、何度も諦めずに伝え続ける姿勢が必要だ」と話しました。

また、高知県の横倉山自然の森博物館の谷地森秀二学芸員は、公民館として利用されている小学校の1室を活用しながら標本などを保管している現状を紹介しました。

学会を主催した谷地森学芸員は「県内にはさまざまな生物標本が散らばっていてそれが近い将来無くなりつつある。県外の先進事例を参考に行政との話し合いを進めていきたい」と話していました。

また、参加した大学生は、「高知県は自然が豊かなのに対して自然史博物館が少ないので新しい施設ができれば、学術的にも価値が上がると思います」と話しました。

この学会は21日も行われ、高知市の県立牧野植物園の収蔵庫を見学する予定になっています。