マレーグマ保護 のいち動物公園が新たに海外施設と協定へ

国内でも繁殖数の少ないマレーグマを保護するため、高知県香南市の県立のいち動物公園が、新たにマレーシアの施設と協定を結び、保護活動に取り組むことが分かりました。

香南市にある県立のいち動物公園は、絶滅危惧種に指定され、繁殖の難しい世界最小のクマ、マレーグマの飼育に長年取り組み、現在、国内の動物園にいる15頭のうち5頭は園内で生まれました。

ただ、去年、国内最高齢だったオスの「ワンピイ」が死んでから1頭も飼育していない状況が続いているほか、海外の動物園でもマレーグマの数は減るなどして輸入が難しい状況となっています。

こうした中、のいち動物公園が、マレーシアにあるマレーグマの保護施設「ボルネアン・サン・ベアー・コンサベーション・センター」と新たに協定を結び、協同で保護活動に取り組むことが分かりました。

協定では、のいち動物公園の中にマレーシアの施設の活動を紹介するコーナーを設けるほか、インターネットで寄付を募ったり園内でこの施設のグッズを販売したりして、施設を財政的に支援することにしています。

そして、将来的には、マレーシアの施設のマレーグマをのいち動物公園で育てることも検討していて、こうした絶滅危惧種を安全な施設で保護して繁殖する取り組みは「域外保全」と呼ばれています。

のいち動物公園の担当者は、日本時間の今月22日にボルネオ島で行われるマレーシアの施設との協定の調印式に臨む予定です。