医療的ケアが必要な人たちが家族と一緒に遠足で交流

ふだんは出かけることが難しい重い障害がある人や医療的ケアが必要な人とその家族が、19日、遠足で佐川町に出かけ、木のおもちゃで遊んだり、家族どうしの交流を楽しみました。

遠足を企画したのは、高知市でデイサービス施設を運営するNPO法人「みらい予想図」です。

運営する施設は、重い障害のある人や、人工呼吸器やたんの吸引などが欠かせない医療的ケアが必要な人が利用しています。

利用者とその家族は、ふだん気軽に遊びに行くことが難しいため、NPOは施設を貸し切るなどして気兼ねなく楽しんでもらう佐川町での遠足を企画し、きのうは、およそ90人が参加しました。

はじめに、「佐川おもちゃ美術館」を訪れ、手で音を鳴らすことができるおもちゃに触れたり、卵型のおもちゃが敷き詰められた「たまごプール」で遊んだりしました。

その後、「佐川町健康福祉センターかわせみ」に移動し、ペースト状の食事やビュッフェ形式で並んだ高知伝統の皿鉢料理などを楽しみました。

日頃、互いに会う機会が少ない父親たちが話し合う「パパ会」も開かれ、ふだん介護する中での悩みや不安を打ち明けていました。

最後は、NPO法人のスタッフなどと一緒に、曲に合わせて踊るイベントが行われ、参加者はリズムに合わせて体を動かしていました。

参加した人たちは、「父親どうしはなかなか交流する機会がないので、新鮮で貴重な経験だった。こうした機会がまたあれば、ぜひ参加したい」とか、「子どもと遊びに出かけることはあまりないが、きょうは万全のケアの中で安心して楽しむことができた」などと話していました。

遠足を企画したNPO法人「みらい予想図」の山崎理恵理事長は「ふだん、介護ばかりの家族に楽しんでもらおうとイベントを企画しました。同じ境遇の家族どうしが交流することが大切だと思います」と話していました。