酒米磨く県唯一の工場 地域商社が運営へ 4者が協定締結

ことし3月に閉鎖された酒米を磨く作業を行う高知県で唯一の工場について、今後新たに地域商社が運営を担うことになり、16日、県庁で協定が結ばれました。

県庁で開かれた協定の締結式には、県と工場を運営する高知銀行の子会社の地域商社、JA高知県、それに県酒造協同組合の4者が出席しました。

酒米を磨く作業は県内に18ある酒蔵の13の蔵が南国市のJAの工場に委託していましたが設備の老朽化で多額の改修費用がかかることからことし3月末で閉鎖されました。

この問題を受けて、県内の酒造りを支援しようと、今月、県議会で設備の更新などの費用1億円を盛り込んだ補正予算が成立し、今後、地域商社が運営を担うことになりました。

締結式では、それぞれの担当者が協定書に署名し、精米工場の安定的な運営や品質の向上と生産拡大など、酒米を精米する態勢の構築に向けて連携して取り組むとしています。

「地域商社こうち」の森下勝彦会長は「身が引き締まる思いです。『土佐酒』は海外への輸出も順調に伸びている成長産業なので、私たちの力で成長軌道を維持していきたい」と話していました。

県酒造協同組合の竹村昭彦理事長は「高知の酒は高知にこだわることが最も重要だと考えているので協力していきたい」と話していました。