目の不自由な人が仏像に触れて楽しむ催し 香南市

目の不自由な人に仏像に親しんでもらおうと、手で触って楽しむ催しが高知県香南市で開かれました。

香南市夜須町の長谷寺の山門には鎌倉時代から伝わるとされる仁王像が2体あり、仏師の吉田安成さんが住職から依頼され修復作業を進めています。

10月10日の「目の愛護デー」を前に、視覚障害者に仏像の魅力を知ってもらおうと、吉田さんらは目の不自由な男性2人を修繕の作業場に招いて、仏像に触れてもらう体験会を開きました。

参加者たちは修繕の過程で使わなくなった仁王像の足に触れたり、3Dプリンターの技術で作った小さな仏像の模型を実際に手に取ったりして感触を確かめていました。

また、仁王像について、口の形が「あ」と発する像は「阿形」、「うん」と発する像は「吽形」と名前が付けられていることを住職から説明を受け、2体の違いを感じていました。

参加した男性は「ぼんやりと見えていた頃も仏像の全体の形は分かっていませんでしたが、触ることで細かい形や胸板の厚さを想像できました」と話していました。

別の男性は「1人で外出できない中、貴重な体験ができました。またこのような企画を考えてくれたらうれしい」と話していました。