”留学生退学は違法” 学校側に賠償命じる判決 高知地裁

香南市の介護福祉士の養成学校で学んでいたベトナム人留学生2人が退学処分は無効だとして、学校を運営する社会福祉法人を訴えた裁判で、高知地方裁判所は「退学は違法だ」と指摘し、学校側に賠償を命じる判決を言い渡しました。

この裁判はおととし、介護福祉士を養成する香南市の専修学校「香南学園」で学んでいたベトナム人留学生の男女2人が、卒業直前に受けた退学処分は無効だとして学校を運営する社会福祉法人を訴えていたものです。

女性は別の就職先を希望したことを理由に自主退学扱いとされ、男性は喫煙行為が規則に触れるとして退学処分を受けたと、それぞれ主張していました。

22日の判決で、高知地方裁判所の佐々木隆憲裁判長は女性について「卒業後に法人施設で勤務しないことが自主退学の意思を含んでいるとは評価できない。当時すでに卒業要件を満たしていた」と指摘しました。

また、男性についても「喫煙の事実は認められるが、退学を認められるほどの規律違反ではなく退学処分は違法だ」として、それぞれ学校側に賠償を命じる判決を言い渡しました。

判決を受けて留学生2人が取材に応じ、女性は「2年半待っていましたが卒業が認められてうれしい」と話していました。

男性は「諦めそうになりましたが今はとてもうれしい。頑張って勉強して介護福祉士を目指します」と話していました。

一方、社会福祉法人は「コメントできない」としています。