中国の豪華客船 高知に寄港 処理水放出以降では初

東京電力福島第一原発にたまる処理水の海への放出が始まってから31日で1週間となります。
処理水の海洋放出に中国が反対する中、31日に、中国からの団体客を乗せた豪華客船が処理水の放出が始まって以降初めて高知市に寄港しましたが、ツアーの一部を変更するなどの影響も出ています。

高知新港に寄港したのは中国の豪華客船「チャイナ・マーチャンツ・アデン」です。

中国からの乗客などおよそ300人が乗っていて、8月27日に中国・上海を出港して日本各地を巡っています。

この船が高知に寄港するのは6回目ですが、処理水の放出が始まって以降では初めてとなります。

処理水の放出について乗客に尋ねたところ「『核汚染水』の排出はやっぱりよくないと思う」とか「中国人は反感を持っていると思う。日本がこういう選択をするときは、慎重になってほしい」と話す人もいました。

一方で「中国の方針が私たちの方針だが、私個人としては科学を信じたい。もしそんなに深刻なら、原子力発電所は必要ないと思う」とか「今回の旅行には影響はないと思う。高知では焼き魚を食べたい」という人もいました。

乗客達は船を下りた後バスに乗り込み、高知県内の観光地に向かっていました。

ツアーの中国人の担当者は、NHKの取材に対し「前回までは魚が含まれているプランがあったが、今回は魚のプランはキャンセルした」とツアーの一部を変更したことを明らかにしましたが、処理水の影響かどうかという問いに対しては「答えられません」と話していました。

海外からの豪華客船の誘致を進めている、県港湾振興課は「今のところ高知新港への寄港を取りやめたいという船の連絡は入っていない」としたうえで、「今後、影響があればできることはしていきたい」話しています。