「南海トラフに備え財政の余力確保を」財務省主計官が講演

政府の予算案編成などを担当する財務省の主計官が県内の企業経営者などを対象に、29日に高知市で講演し、南海トラフ巨大地震に備えて財政の余力を確保しておくことが重要だと述べました。

講演したのは国土交通省関連の予算編成を担当する財務省主計局の尾崎輝宏主計官で、県内の企業の経営者などオンラインも含めて80人余りが参加しました。

はじめに尾崎氏は、日本は先進国で最も高齢化が進んでいることから、今年度の一般会計の歳出では3割以上を社会保障費が占め、今後も厳しい財政運営が続くと説明しました。

そして、南海トラフ巨大地震では、100兆円を超える規模の被害が想定されるとしたうえで、自然災害への備えのためにも財政の余力を確保しておくことが重要だと述べました。

また、外国人観光客の増加を目的に行われている四国遍路の札所での修行の体験事業も紹介したうえで「地方の観光の後押しになるような予算編成をしていきたい」と述べました。

講演のあと尾崎氏は記者団に対し、「予算は国民の生活に非常に密接していることで、財務省が適当にやっていればそれでいいというわけではない。そうしたことをこの講演から感じてもらえたらと思う」と話していました。