処理水放出開始 東北沖合のカツオやマグロ漁への影響懸念

東京電力福島第一原発にたまる処理水の海への放出が24日から始まり、県内では漁業への影響が懸念されています。

福島第一原発では、事故の直後から発生している汚染水を処理したあとに残るトリチウムなどの放射性物質を含む処理水が1000基余りのタンクに保管され、容量の98%にあたる134万トンに上っています。

東京電力は政府の方針に基づき、基準を下回る濃度に薄めた上で、24日午後1時ごろ、海への放出を始めました。

処理水の放出による風評被害も懸念されている中、24日、県庁の前でおよそ40人が参加して抗議活動をおこない、放出をやめるよう訴えました。

また、漁業への影響も懸念されていて、県によりますと、県内のカツオやマグロ漁船およそ90隻が東北の沖合で漁をしているということです。

県水産業振興課の井上久美賀課長補佐は「県内漁業者にとっては風評被害への懸念があり、例えば、東北を漁場とするカツオの一本釣り漁船が水揚げした時の魚価に影響が出るおそれがある。影響があった場合でも関係団体と情報収集をしながら風評被害を最小限に抑えるために国が設けた支援策を漁業者が円滑に活用できるよう努めていきたい」と話していました。