自民 高野光二郎参院議員 近く議員を辞職する考えを表明

自民党の高野光二郎参議院議員が去年の年末、秘書の顔をたたいて鼻から出血させる騒ぎを起こした問題をめぐり、16日、高知市で会見を開き、暴行したことを認めたうえで「参議院議員を辞職する」と述べ、責任を取り、近く議員を辞職する考えを明らかにしました。

参議院の徳島高知選挙区選出で自民党の高野光二郎参議院議員は、去年の年末、高知市内の居酒屋で私設秘書の男性の顔をたたいて鼻から出血させる騒ぎを起こした問題について、16日、高知市で会見を開きました。

高野議員は、暴行したことを認めたうえで「私が暴行してしまいました元秘書の方に心からおわび申し上げます」と改めて陳謝したうえで「私は参議院議員を辞職する」と述べ、責任を取り、近く議員を辞職する考えを明らかにしました。

辞職の考えに至ったことについて「このようなことがあって高知・徳島の代表として政治に携わるわけにはいかない。申し訳ないかぎりで、今後の政治活動はすべて白紙にさせてもらう」と釈明しました。

一方、秘書はすでに事務所を退職していて、14日の会見で高野議員は、複数回の暴行について「ない」と明確に否定していましたが、関係者によりますと、元秘書は「暴行は2回あり、2回目は唇に当たって腫れた。指導というより暴力と認識している」と話しているということです。

高野議員は「記憶も混乱していて整理がついていない」と述べ、暴行に至る詳しいいきさつなどは説明せず、取材に集まった記者団の制止を振り切り、会場を足早にあとにしました。

【高野光二郎参議院議員とは】
高野光二郎参議院議員は高知市出身の48歳。

高校時代はウエイトリフティングの国体選手でした。

衆議院議員の秘書や、高知県議会議員を経て、平成22年に参議院選挙の高知選挙区に立候補しましたが落選。

その3年後の平成25年に2度目の挑戦で参議院議員に初当選し、農林水産政務官を務めました。

令和元年の参議院議員選挙で合区となった徳島高知選挙区で再選し、現在2期目です。

ことし1月には公設秘書が酒を飲んで車を運転したとして警察に検挙されたほか、別の私設秘書もこの車に同乗していて、高野議員が記者会見を開いて陳謝したばかりでした。

【補欠選挙は】
県選挙管理委員会によりますと、公職選挙法の規定で9月15日までに高野議員が辞職した場合、10月の第4日曜日に参議院議員の補欠選挙が行われるということです。

その場合、補欠選挙の日程は10月22日になります。

県内では、ことし11月に任期満了に伴う知事選と高知市長選が行われる見通しですが、これらの選挙の日程に影響はないということです。

【自民 高知県連 除名求めることに】
自民党高知県連は16日、党紀委員会を開き、処分について協議しました。

このあと、土森正典党紀委員長らが記者会見を開きました。

それによりますと、高野議員が秘書の顔をたたいて鼻から出血させたことは、暴力行為に当たり、党員の品位をけがしたとして、党本部に対し、高野議員を最も重い処分となる除名とするよう求めることを決めたということです。

土森党紀委員長は「自民党として襟を正して再スタートをしていくためにも重大な決定で、除名という結論になった」と処分の理由を説明しました。

党紀委員会での決定は、今後、県連の常任総務会で再び審議された後、党本部に上申される予定です。

【浜田知事 「率直に驚いている」】
高知県の浜田知事は記者団に対し「公人の最大の責任の取り方として議員辞職を決断されたと思う。想定していなかったので、率直に驚いている」と述べました。

そのうえで、高野議員が16日の記者会見で記者の質問に答えないなど、十分な説明をしなかったことについて浜田知事は「高野議員も正確を期したいというのはあると思うが、できるだけ早く議員自身の口から説明を聞きたいと思う県民の気持ちに沿わなかったのは残念」と述べました。

【自民 徳島県連 「暴力が事実なら言語道断」】
自民党徳島県連の重清佳之会長代行は16日午後、徳島市内で開かれた会合の後、記者団の取材に応じ「暴力が事実であれば言語道断だ。辞職表明は残念で驚いている。徳島高知選挙区なので投票された方には任期途中での辞職は誠に申し訳ないと思っている」と述べました。