JR予土線存続に 隈研吾氏をアドバイザーに新たな提案発信へ

愛媛県と高知県を結ぶJR予土線沿線を盛り上げようと活動している民間団体の総合アドバイザーに、世界的な建築家である隈研吾さんが就任し、駅舎の新たなデザインを提案していく考えを明らかにしました。

隈研吾さんは、東京の国立競技場のデザインなどを手がけた世界的な建築家で、28日、松山市で就任会見を開きました。

この中で、隈さんは「JR予土線に初めて乗ったとき、草木が生い茂っている坂を上っていく景色や四万十の渓谷を見て美しさに衝撃を受け、この路線を守りたいと強く思った」と就任の経緯を語りました。

その上で、予土線沿線を訪れる観光客を増やすため、駅舎の新たなデザインを提案したり、沿線の魅力を伝えるポスターを制作したりしていく考えを明らかにしました。

隈さんは「経営に困っているローカル線は世界中にあるので、観光資源を増やすモデルになればうれしい。食を含めて地域の文化と連動しながら楽しめることを提案していきたい」と述べました。

予土線をめぐっては、赤字のため、JR四国が今後のあり方について愛媛県と高知県と協議を始めたいとしていて、団体では今後、イベントなどを開いて路線の存続を訴えていきたいとしています。

「JR予土線圏域の明日を考える会」の伊達宗信会長は「隈さんが参加することは心強い。これをきっかけに地域の歴史や魅力をたくさんの人に知ってもらえるようにしたい」と話していました。