医師 “コロナ患者の入院は厳しくなる可能性”「5類」移行で

新型コロナの感染症法上の位置付けを「5類」に移行することについて、多くのコロナ患者を受け入れてきた高知市の病院の医師は「コロナ患者の入院は今まで以上に厳しくなる可能性が高い」と懸念を示しました。

政府は、新型コロナの感染症法上の位置づけを、原則として、ことし春に季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針で、厚生労働省は23日、専門家による部会を開き本格的な議論を始めました。

コロナの「5類」への移行について23日、高知市の近森病院の石田正之医師が報道陣の取材に応じました。

この病院では、県の要請を受けて、コロナ専用の病床を9つ確保していますが、「5類」になればその必要がなくなるため、ほかの重篤な患者に病床を割り当てる可能性が高いとしています。

また、県内のほかの病院の多くもコロナ専用の病床を減らして本来の体制に戻るうえ、新たにコロナ患者の受け入れを始める病院も、実際には少ないと見ています。

石田医師は「これまでコロナを診ていない病院が新たにコロナ患者を受け入れようにも、専門の医師やノウハウが不足しており、実際には難しい。このためコロナ患者の入院は今まで以上に厳しくなる可能性が高く、流行の規模しだいでは医療が機能不全に陥る危険性も十分にある」と懸念を示しました。