東日本大震災 釜石で津波から避難した男性が訴え 黒潮町
東日本大震災の際に岩手県釜石市で津波からの避難を経験した男性が17日夜、黒潮町で講演を行い、被害が想定される範囲を知り、訓練を徹底することの大切さを訴えました。
この講演会は南海トラフ巨大地震で津波の被害が予想される黒潮町で行われたもので、住民およそ30人が集まりました。
講演を行ったのは中学1年生のときに東日本大震災の被害に遭い、岩手県釜石市で津波からの避難を経験した紺野堅太さん(25)で、大きな揺れのあと、子どもたちがみずからの判断で避難して助かった「釜石の奇跡」と呼ばれた避難行動について語りました。
上へ上へと移動を続けたことで津波から逃れた紺野さんは、「記憶がないぐらいパニック状態で、走っている自分の息の音と周りの悲鳴しか覚えていない。たまたま逃げ切れただけで、いまになって本当に奇跡だと思う」と振り返りました。
その上で、助かった要因として、
▼津波の浸水が想定される範囲を知っていたこと、
▼抜き打ちも含めた徹底した訓練を行っていたこと、
そして
▼実際に地震が発生した際はそれぞれが高台へ逃げる「津波てんでんこ」をあげ、日頃の備えの大切さを訴えました。
講演を聞いた30代の男性は「実際に経験した人の話を聞くと、災害時には想像できないようなことが起きるのだろうなと感じました。自分ならどうするか、今後考えていきたい」と話していました。