兵庫県 “パワハラ疑い”で知事批判 文書作成の元局長死亡

兵庫県の斎藤知事にパワハラの疑いがあるなどとする文書を作成した県の元局長が死亡しているのが見つかったことが県や警察関係者への取材でわかりました。
元局長は来週開かれる県議会の百条委員会に証人として出席し、質疑に応じることになっていました。

兵庫県や警察関係者によりますと7日、元・西播磨県民局長の60歳の男性の行方が分からなくなっていると、親族から警察に届け出がありました。
その後、姫路市内で死亡しているのが見つかったということで、警察は状況から自殺した可能性があるとみて調べています。
元局長はことし3月、斎藤知事にパワハラの疑いがあるなどとする文書を作成して報道機関や県議会の関係者などに送り、その後の内部調査の結果、「文書の核心的な部分が事実ではない」として県から停職3か月の懲戒処分を受けました。
これについて、中立性と客観性を担保して再調査を行うよう県議会から要請されたことを踏まえ県は第三者機関の設置を決めたほか、県議会が強い調査権を持つ「百条委員会」を設置していて、元局長は来週19日に開かれる委員会に証人として出席し質疑に応じることになっていました。

【斎藤知事「県庁を立て直すのが私の責任」】
斎藤知事は記者団に対し「お亡くなりになったことに大変心からショックを受けており、心からお悔やみを申し上げたい」と述べました。
そのうえで、「これまでの対応についてご批判やご指摘があることはしっかりと受け止めていかなければいけない」と述べました。
一方、自身の進退については「職員はかなり動揺されているので、心のケアを含めてしっかり対応していく。県庁という職場を立て直していくのが私の大きな責任だと考えている」と述べました。

【百条委の委員長「痛恨の極み」】
百条委員会の委員長を務める奥谷謙一議員は記者団に対し「痛恨の極みだ。ご遺族に心からお悔やみを申し上げるとともに、元局長に心からご冥福を申しあげる」と述べました。
その上で「百条委員会が立ち上がってからご本人に対して大きなプレッシャーや重圧がかかっていたということはあるかもしれない。それについて私自身もよく把握していなかったということは、反省点としてあるのではないかと思う」と述べました。
一方、今後の委員会運営については「われわれの目的は文書の真偽をしっかりと確かめていくということで、今回のことを受けて今後どのように配慮して進めていけばいいのかは、百条委員会の委員の皆さんとしっかりと協議していきたい」と述べました。

【相談窓口】
不安や悩みを抱える人の相談窓口は、厚生労働省のホームページなどで紹介しています。
インターネットで「まもろうよこころ」で検索することもできます。
電話での主な相談窓口は、「よりそいホットライン」が0120−279−338、
「こころの健康相談統一ダイヤル」が0570−064−556となっています。