芦屋の「ヨドコウ迎賓館」 敷地全体が国の重要文化財に

ことし完成から100年を迎える芦屋市の旧山邑家住宅、通称「ヨドコウ迎賓館」は、これまでの建物に加えて、敷地全体が国の重要文化財に指定されることになりました。

国の重要文化財に新たに指定されるのは、100年前の大正13年(1924年)にアメリカの有名な建築家、フランク・ロイド・ライトが灘の酒造家、山邑太左衛門の別邸として設計した旧山邑家住宅、通称「ヨドコウ迎賓館」の建物部分を除く土地、およそ5228平方メートルです。
芦屋川の東側の丘の上に位置し、当時、建築が難しいとされていた傾斜に沿って設計されたもので、鉄筋コンクリート造りの建物部分は完成から50年たった昭和49年に国の重要文化財に指定されています。
今回、追加で指定される敷地には、側面の土が崩れるのを防ぐために作られた擁壁や石垣のほか、倉庫や階段も含まれていて、傾斜面を生かして自然と調和させながら敷地一帯を整備した点が高く評価されたということです。
芦屋市国際文化推進課 竹村忠洋 係長は、「建物だけでなく土地の自然や景観も含めて、ライトの目指した『自然と建物の調和』をみなさんに知ってもらえる機会になると思います。国や県、所有者とも連携しながら、保存や公開を進めたいです」と話していました。