兵庫県 高校生の短期留学の費用支援へ 企業などの寄付で基金

高校生の海外留学を後押しするとともに、海外で兵庫県の魅力をアピールしてもらおうと、県は県内の高校生の短期留学の費用を支援することになりました。

県が行うのは、「HYOGO高校生『海外武者修行』応援プロジェクト」です。
対象となるのは、ことしの夏休みにおよそ1か月の海外留学を行う県内の高校生10人で、留学先にかかわらず、1人あたり上限50万円を支援するとしています。
経済的な理由で留学を諦めることがないようにするとともに、グローバルな視点で国際的に活躍する若者を県内で育成しようという狙いで、企業などから寄付を募って基金を作り、支援します。
一方で、選考を通過した生徒には留学の前に複数の地場産業の現場などを体験してもらい、留学先でアンバサダーとして兵庫県の魅力を発信する活動を行うとともに、帰国後は留学先での体験を在籍する高校や地域の人たちに伝えることを求めています。
応募は、在籍する高校を通じて来月10日まで県のホームページなどで受け付け、その後、書類選考や面接を行うということで、県の担当者は少しでも海外留学に関心のある高校生は積極的に応募してほしいとしています。
【高校生の留学費用に円安の影響】
留学に必要な費用は、円安の進行に伴って大きく膨らんでいて、学生にも影響を及ぼしています。
留学を支援している「留学ジャーナル」によりますと人気の留学先の一つ、カナダへの留学費用はある語学学校では、5年前の2019年は1週間で24万5000円でした。
しかし、今申し込んでことしの夏に留学する場合、34万5000円と5年前と比較して10万円高くなっています。
また、同じカナダの語学学校で4週間留学する場合、ことしは72万6000円と5年前より20万円以上上がっています。
また、アメリカの語学学校への留学では、3週間の場合、5年前は74万5000円でしたが、ことしの夏は114万円とおよそ40万円上がって100万円を超えています。
この会社には、留学を検討する保護者から「見積もり金額が想定よりも高かったが、費用を抑えられる方法はないか」といった相談が増えているということです。
これに対し、会社では、留学期間を短くしたり、授業料が比較的安い語学学校を紹介したり、費用を抑えるためのアドバイスを行っているということです。
会社では、自治体や民間団体が行う留学向けの奨学金制度もあるとした上で、「情報収集が大事で、自分に合った奨学金制度を見つけてうまく活用してほしい。留学は将来につながるきっかけや出会いがあるので、興味があればぜひ行ってほしい」と話していました。