被災地支援 兵庫県の教職員グループが心のケアの必要性を強調

阪神・淡路大震災を経験し、各地の被災地で支援活動に取り組んでいる兵庫県の教職員で作るグループのメンバーがインタビュー取材に応じ、能登半島地震の被災地での活動経験を踏まえ、新学期が始まったあとも子どもたちの心のケアに力を入れていく必要性を強調しました。

県立芦屋高校の主幹教諭、淺堀裕さんは阪神・淡路大震災をきっかけに県内の学校の教職員で作られた「EARTH(アース)=震災・学校支援チーム」の創設メンバーで、元日に発生した能登半島地震でも1月と3月の2度にわたって石川県珠洲市の学校で支援活動にあたりました。
地震から2か月あまりがたった3月中旬の珠洲市の状況については、道路状況は改善したものの、倒壊したままの状態の住宅が多く、断水が続いている地域もあったということです。
こうした中、まもなく多くの学校では新学期が始まることから、被災した状況や被害の大きさにかかわらず、心に傷を抱える子どもたちを見逃さず、継続的にケアすることが大切だと指摘しています。
その上で、淺堀さんは「子どもたちの変化をつかみ取るのは、ふだんから子どもたちと接している教員たちの役割でもある。支援チームが授業の補助や登下校の見守りなどを行うことで、現地の教員たちには子どもたちと接する時間をたくさんつくってもらうなど、心の傷を残さないための取り組みに力を入れていくことが必要だ」と話しました。
兵庫県教育委員会によりますと、現在、アースにはおよそ230人の教職員が所属していて、石川県の被災地にこれまでにのべ103人を派遣したということです。
3月で継続的な派遣は終えたということですが、淺堀さんはアースの若いメンバーに向けて「阪神・淡路大震災での教訓を学ぶことは重要ではあるが、災害対応のあり方は時代によって変化している。よりよい支援のため、各被災地での経験を踏まえて課題を改善し、次に起こるかもしれない災害に備えてほしい」と話していました。