県警 「匿名・流動型」犯罪の取り締まり強化 対策室が発足

いわゆる「闇バイト」で実行役を集め、特殊詐欺などを繰り返す犯罪グループの取り締まりを強化するため、兵庫県警察本部は、さまざまな専門性を持つ捜査員を集めた新たな組織を立ち上げました。

発足したのは「匿名・流動型犯罪グループ対策室」で、兵庫県警 組織犯罪対策課の中に設けられました。
部門横断的に、さまざまな専門性を持つ捜査員などが集められ、26日、発足式が行われました。
「匿名・流動型犯罪グループ」は、高額報酬をうたう「闇バイト」で実行役を募り、特殊詐欺や強盗などを繰り返す犯罪集団のことで、発足式で兵庫県警の村井紀之 本部長は「新しいタイプの犯罪で大きな被害が出ていることを真摯(しんし)に受け止め、使命感を持って成果を出してほしい」と訓示しました。
これに対し、桑平慎一 室長が「一丸となって、実態把握や資金源の遮断など、効果的な取り締まりを進め、安心安全を確保していく」と決意を述べました。
こうしたグループは、SNSなどを通じた緩やかな結びつきで離合集散を繰り返すのが特徴で、互いに名前を知らなかったり、連絡手段として匿名性の高いアプリを使ったりしているということで、警察は情報収集や分析などを徹底し、弱体化を図るとしています。
桑平室長は「『ルフィ』と名乗る人物による事件など、これまでと違うタイプの犯罪が目立ち、県内でも特殊詐欺の被害が増えている。組織の総合力で戦略的な取り締まりを行いたい」と話しています。