宝塚歌劇団員死亡 遺族側が主張する15件のパワハラ行為

宝塚歌劇団に所属する25歳の劇団員が死亡した問題で、遺族側の代理人弁護士は27日開いた記者会見で、「遺族側が主張している15のパワハラ行為のうち、劇団は7つの項目についてほぼ認めていると理解している。ほかの6項目については、一部認めていない部分があり、残る2つは、否定している。認識に開きがある部分には重要な社会的注目があるところもあり遺族も納得できない」と述べました。
そのうえで、弁護士は「およそハラスメントを認めたからこれでいいじゃないかというのは、遺族としてはできない。劇団側には、遺族にしっかり向き合って合意書の締結に至るように言っている」と述べました。

【遺族側が主張するパワハラ行為は】
遺族側が主張している15件のパワハラ行為は次のとおりです。
1)亡くなった劇団員が断ったにもかかわらず、上級生がヘアアイロンで髪を巻き、額にやけどを負わせた。
2)この上級生がやけどを負わせたにもかかわらず、真摯(しんし)な謝罪をしなかった。
3)上級生が髪飾りの作り直しなど、深夜に及ぶ労働を課した。
4)上級生が新人公演のダメ出しで人格否定のようなことばを浴びせた。
5)週刊誌の報道の後、上級生が亡くなった劇団員を呼び出して詰問し、過呼吸の状態に追い込んだ。
6)劇団幹部がヘアアイロンでやけどを負ったことについて「全くの事実無根」と発表した。
7)劇団幹部が睡眠時間が1日3時間程度しかとれないような極めて過酷な長時間労働を課し、過大な要求をした。
8)亡くなった劇団員が所属していた宙組の幹部が「振り写し」の復活により一層過大な要求をした。
9)宙組の幹部が「お声がけ」の復活により一層過大な要求をした。
10)演出家が怠慢や不備により、到底対応不可能な業務を課した。
11)宙組の幹部が配役表の事前開示に関し、2日連続で執ような叱責を行った。
12)宙組の幹部が「振り写し」に関し、大声で宙組の組員の前で叱責を行った。
13)宙組の幹部が「下級生の失敗はすべてあんたのせいや」などの叱責を繰り返した。
14)宙組の幹部が幹部部屋で大声で叫び、威圧的な言動を行った。
15)宙組の幹部が「お声がけ」に関し、詰問や叱責を続け、罵倒した。