ネスレ日本 一部輸送をトラックから鉄道に切り替え

物流業界で人手不足が深刻化する「2024年問題」に対応するため、神戸市に本社がある大手食品メーカーの「ネスレ日本」は、工場がある静岡から大阪までの輸送の一部を、トラックから鉄道に切り替えることになり、21日、開始式が行われました。

大阪 東住吉区の貨物駅で開かれた開始式には、大手食品メーカーのネスレ日本やJR貨物グループの関係者が出席し、静岡県の工場から運ばれてきた専用のコンテナを開けて、中身を確認していました。
この会社では、静岡県に加え兵庫県と茨城県に工場があり、北海道や九州などへの長距離輸送には鉄道を利用してきましたが、物流業界の人手不足への対応などを進めるため、今月(2月)に入って静岡から大阪までの中距離輸送の一部を、トラックから鉄道に切り替えることにしました。
ネスレ日本物流部の伊澤雄太課長は「経済性や効率性の面でトラック輸送を行ってきたが、社会問題である『2024年問題』に対応するために決断した。今回のモーダルシフト=輸送手段の転換によって、ドライバー不足への対応とともに、二酸化炭素の排出量の削減にも貢献ができる」と話していました。
この会社は、今後、鉄道での輸送を増やせないか検討するとしています。
「2024年問題」を巡っては、国は、2030年代前半までの10年程度で、鉄道や船舶の輸送量を倍増させる目標を掲げていて、企業に対応を促しています。