尼崎の県立病院で患者死亡 県が医療事故として謝罪し賠償金

兵庫県は、尼崎市にある県立病院で看護師が血中酸素濃度の低下を知らせるアラーム音に気づかず、その後、患者が死亡したとして遺族に賠償金として2150万円を支払うことになりました。

県によりますと、令和3年9月、路上で転倒した80代の女性が県立尼崎総合医療センターに救急搬送され、意識障害と呼吸不全のため手術を受け、いったん退院しました。
女性はその後、処置を受けるため再入院していましたが、その年の12月、病室内で心肺停止の状態で見つかり、すぐに主治医が対応したものの意識が戻ることなく、去年2月に亡くなりました。
病院側が当時の状況を調べた結果、患者の血中酸素濃度が低下していることを知らせるアラーム音が鳴っていたにもかかわらず、看護師の部屋に誰もいない時間帯があり、対応が遅れたことが原因だとわかったということです。
このため県は、医療事故として遺族に謝罪し、2150万円を支払うことで和解することになりました。
会見した県病院局企画課の菅澤真央課長は「このような事案が発生したいへん申し訳なく思います。今後、安全対策の取り組みを進め、再発防止に努めます」と謝罪しました。